皆さんは神社で茅の輪くぐりをしたことがあるでしょうか。

6月30日と12月31日に神社で行われる(諸般の事情により神社によって日にちは微妙に違うこともある)お祓いの神事で、夏越の大祓(なごしのおおはらい)、年越の大祓(としこしのおおはらい)と呼ばれています。

茅の輪をくぐり、神前でも神事が行われますが、これにはどういう由来があるのか疑問に思ったことはありませんか?また、厄年でもないのになんでお祓いを受ける必要があるのだろう思ったりしませんか?

今回はこの大祓の神事について書いてみたいと思います。

なぜ茅の輪をくぐるのか

茅の輪は『備後国風土記』に由来するといわれています。風土記(ふどき)というのはその土地の風土や伝承などをまとめて書物にしたものです。備後は現在の広島県の東のあたりですね。

この備後の風土記の中に須佐之男命(スサノオノミコト)の話があります。その内容はというと・・・

武塔神(むとうのかみ)に宿を求められた2人の兄弟。
裕福な弟の巨旦将来(こたんしょうらい)は断り、蘇民将来は貧乏な暮らしながらも厚いもてなしをしたというもの。

のちに再びこの地を訪れた武塔神は蘇民将来の娘ち妻に「茅で輪をつくって腰につければ疫病にかからないだろう」的なことを言って茅の輪を付けさせ。「我は素戔嗚尊」と名乗ったそうです。

ものすごく要約するとこんな感じ

ものすごく端折ってますがイラストにするとこんな感じ。

また、茅の輪じゃなくて蘇民将来と書かれた木の札身に着けたとか、宝の珠を須佐之男命からもらったとかいう話もあるようです。

地域によって微妙に違う信仰

余談ですが三重県の伊勢や志摩のあたりでは玄関の注連縄に「蘇民将来子孫家」と書かれた札が付いているのをみかけます。

「家は蘇民将来の子孫です!」と掲げることで災無く、そして福がやってくると考えられたようです。

茅の輪がだんだん大きく?

こうした蘇民将来の伝承に基づく茅の輪ですが、はじめは小さな輪だったものが、これがだんだんと大きくなり茅の輪をくぐって穢れを祓うようになったといわれています。

なんで輪が大きなったのか詳細はわかりませんが(調べてもわかんなかったゴメン)。

一説によると大蛇に見立てているということのようですが・・・

どうして茅なのか

茅の輪の「茅」ですが茅(ちがや)、菅(すげ)、薄(すすき)などの総称のようです。

なぜこれらを使うのかというと、葉がとんがった形状をしているので矛や剣を連想させるからという説があります。

「なんで矛や剣なんだ?」と疑問に思うでしょうが・・・

  • 神話の中でイザナギノミコトが鉾を使って海をかき回したら日本列島ができたという話があるのですが、この矛に見立てているのでなないか。
  • スサノオノミコトが退治したヤマタノオロチの尾から出てきた草薙剣(くさなぎのつるぎ)に重ね合わせているのではないか。

ということのようです。

まあ、矛や剣で厄災を振り払うってことでしょうかねえ。

なぜお祓いをする必要があるのか

いろんな観点からお祓いの意味があるとされる茅の輪くぐりですが、そもそもなぜお祓いをする必要があるのでしょうか。

それは一言で言えば「罪穢(つみけがれ)」を祓うため。

「そんな穢とかねーし」と思う人もいるかもしれませんが、罪穢れというのは悪いことをしたら溜まるというものではありません。

穢は「気枯れ」に通ずるという人もおり、気力が失われた状態と考えられています。日々の生活の中で精神的にもいろいろ大変なことがあるでしょう。

また、我々は日々の生活のなかでいろんな動物、植物の命をいただいて生きています。こうして生き物のを命を絶つことが罪穢れであるという人もいます。

大祓というのはこうした我々の生活の中で降り積もった物を祓う場であると思います。

夏越大祓は年が明けてからの半年間の罪穢れを、年越大祓は7月から年末までの半年間の罪穢れを祓います。

茅の輪のくぐり方

一番オーソドックスであろうくぐり方を載せておきます。

  1. 左足からまたいで左回りに回って茅の輪の前に戻ってきます
  2. 今度は右足からまたいで右回りに回ってもとの位置に戻ります
  3. 再度左足からまたいで左回りに回って戻ってきます
  4. 左足からまたいでまっすぐ進み、ご神前(いつもお参りするところ)まで進みます
  5. 二拝、二拍手、一拝の作法でお参りします。

茅の輪を持って帰るのはやめよう

京都の北野天満宮では茅の輪を持ち帰る人が数多くおり(茅の輪→知の輪 で頭がよくなると思ったらしい)、神社は持って帰らないよう注意喚起をしています。

「持って帰っても良い」と書かれている神社以外では持って帰らないようにしましょう。

大祓の神事

夏越の大祓と年越の大祓では茅の輪をくぐるというところにばかり目がいってしまいますが、ご神前での神事が行われる神社も多数あります。

どんなことをするのかというと切麻(きりぬさ)というお祓いの道具で身を祓ったり、大祓詞(おおはらえことば)という詞をみんなで奏上したりと神社によっていろいろですが、代表的なものとして人形(ひとがた)で罪穢れを祓うというものがあります。人形は形代(かたしろ)と言ったりもします。

人形の使いかた

↑人形の一例

人形の使い方は神社によって微妙に説明に違いがあると思いますが、一例を挙げておくと

  1. 両手で持つ
  2. 左肩から右脇腹のあたりにかけて体をなぞる
  3. 右肩から左脇腹のあたりにかけて体をなぞる
  4. 左肩から右脇腹のあたりにかけて体をなぞる
  5. 息を3回吹きかける

といった手順があります。

どこか体で悪いところがあればそこをなぞるのも良いでしょう。

人形の書き方

人形には名前や年齢を記入して使うところが多くあります。

神社での大祓い式には参加せずに人形だけ神社に持って行ってお祓いしてもらうのに記入するケースが多いような気がします。

記入する項目は神社によって違って、名前と年齢だけのところもあれば、住所・氏名・年齢(満年齢のところもあれば数えのところもある)・生年月日を記入するところなど様々です(人形の形も神社によって微妙に違う)。

もちろん神社の説明通りに記載して神社に持っていくのに越したことはありませんが、「住所を書き忘れた」とか「生年月日を書き忘れた」とかでも悪いことが起こるわけではないのであまり気にしないようにしましょう。

使わない人形はどうやって処分したら良い?

余分にもらった人形は神社に納める際に一緒に持っていけばよいと思いますが、問題は旅先などで御祈願を受けたりした神社から送られてくる人形です。

大きな神社だとご祈祷を受けた人の住所がデータベース化されていて、そうした人に大祓の人形を郵送したりしてるんですよね。大祓に参加する気が無いのに人形が送られてくるとどうして良いのか困ってしまいます。

結論から言うと人形自体はご祈祷されているわけではないのでそのまま捨ててしまっても問題ありません。ですが、「神社から送られてきたものだし、人の形をしているし・・・」ということで捨てるのをためらってしまう人もいるでしょう。

そんな場合は近くの人がいる神社に聞いてみると良いと思います。事情を話して人形を納札所(のうさつじょ・古いお札やお守りを納めるところ)に入れて良いか、もしくは社務所などで預かってお焚き上げしてもらえるか聞いてみましょう。

お焚き上げしてもらえる場合は100円でも200円でもお焚き上げ料を納めると丁寧だと思います。

大祓の神事に参加できない場合は?

人形の説明の時に少し書きましたが、大祓の式に参列できない場合は人形を事前にもらっておいて、自宅で人形を使い、家族の分をまとめて神社に持って行って神事の際にお祓いしてらうという方法があります。むしろこの方法でやってる人のほうが多いか・・・

玉串料(神社に納めるお金)は神社によって違いがありますので興味があったら近くの神社で聞いてみましょう。

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