海外の人が神様に感謝をしてから食事をいただくというシーンを目にしたことがあると思いますが、日本の神道においてもこうした神様に感謝するものがあるって皆さんは知ってましたか?

正確にいうと、こうした神様の教えがあるというわけではなくて、本居宣長が詠んだ和歌を歌って神様に感謝をしてからご飯をいただくというものなのですが、今回はこの和歌をちょっとご紹介したいと思います。

歌には食前感謝と食後感謝がそれぞれありますので順に説明します。

食前感謝の歌

「たなつもの 百(もも)の木草(きぐさ)も天照(あまてら)す 日(ひ)の大神(おおかみ)の めぐみえてこそ」

こちらが食前感謝の歌です。

「たなつもの」は田から採れる物、「百の木草」はいろんな植物といった感じでしょうか。

いろんな作物や植物からの恵みは天照大神様という太陽の神様のお力のおかげであるといった意味になります。

食前感謝の流れ

この歌を食事をする全員で詠ってからご飯をいただきます。全員で詠うので道彦(みちひこ)という先導役がいます。

ちょっと流れについて書いてみたいと思います。

  1. 道彦が「静座」と言い全員が静座する
  2. 道彦が「一拝一拍手」と言い全員で合わせて一拝一拍手をする
  3. 道彦が「たなつもの」と詠い出しの部分を詠う
  4. 続いて全員で「たなつもの 百の木草も天照す 日の大神の めぐみえてこそ」と詠う
  5. 全員で「いただきます」と言いご飯をいただく

といった流れになります。文字だとちょっとわかりづらいですが・・・

Youtubeに動画をアップしている方がいらっしゃったので貼らせていただきます。

動画で見ると雰囲気がよくわかるのではないでしょうか。このような感じで食前感謝をします。

食後感謝の歌

「朝よひに 物くふごとに 豊受(とようけ)の 神のめぐみを 思へ世の人」

こちらが食後感謝の歌です。

朝と宵の時間、ご飯をたべるごとに豊受の神様の恵みに感謝しましょう。みたいな意味です。

豊受の神とは伊勢神宮外宮にもお祀りされている神様で衣食を司るとされる神様です。食べ物の神様に感謝しましょうということですね。

食後感謝の流れ

こちらも道彦の先導のもと全員で詠います。

  1. 道彦が「端座」と言い全員が端座する
  2. 道彦が「一拝一拍手」と言い全員で合わせて一拝一拍手をする
  3. 道彦が「朝よひに」と詠い出しの部分を詠う
  4. 続いて全員で「朝よひに 物くふごとに 豊受の 神のめぐみを 思へ世の人」と詠う
  5. 全員で「ごちそうさまでした」と言う

といった流れです。端座とは姿勢を正して座ること。

なぜ食前は「静座」で食後が「端座」なのかは理由はよくわかりません・・・

こちらも動画をアップしている方がいらっしゃったので貼らせていただきます。

食前感謝を知っていれば、端座の部分と歌が違うだけなので、すぐにできると思います。

神主はみんないつもこれやってるの?

かっちゃんさんによる写真ACからの写真

神主全員が常にこの食前感謝と食後感謝をやっているかというとそうではありません。

人にもよりますがむしろ日々の生活では「いただきます」「ごちそうさまでした」だけの人が圧倒的に多いような気がします。普段は忙しくてゆっくり食事をする時間を確保するのも難しいという人もいるでしょうし・・・

こうした感謝の歌を詠うのは職員等が集って一緒に食事をする改まった場や神主が集まる研修会等で研修を受ける人たちが一緒に食事をする場が多いと思われます。

自分も研修に行ったときは歌を詠った記憶があります。また、神職の資格を取得する際に、実際に神社で実習を行なったりするのですがこうした実習の食事の際も詠っていました。

毎度の食事の度に歌を詠えばものすごく丁寧なんでしょうけど実際のところは改まった場や実習や研修の場のみというのが実情です。

神社体験へ行ったら詠う可能性があるよ

きなこもちさんによる写真ACからの写真

そんなわけで今回は食前感謝と食後感謝の話でした。

我々日本人は普段から「いただきます」「ごちそうさま」でしたと食事に対する感謝をしているわけですが、こういう歌もあるんだということで、たまにはもっと深く食事への感謝を表してみるのもいいんじゃないでしょうか。1人で詠うのはちょっと恥ずかしいかもしれませんが・・・

また、最近は神主体験や巫女体験を行っている神社さんがありますが、その中に昼食時間も含まれていたら食前感謝と食後感謝の歌を詠う可能性大です(絶対とはいいませんが)。

実際に神主さんや神社の人にいろいろ聞いてみたいというのならばこうした体験に参加してみるのもいいかもしれません。

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