伊勢神宮はなぜ世界遺産じゃないの?それは式年遷宮があるから!
伊勢神宮といえばみなさんも聞いたことがある有名な神社ですよね。
正式名称は「神宮」だったり、別宮などの125社も合わせた総称を神宮といったりするのですが、今回はそのへんは置いといて、伊勢神宮と世界遺産、そして式年遷宮について書いてみたいと思います。
なぜ世界遺産に申請しないのか
伊勢神宮は歴史もありますし、全国の神社の本宗といわれ、神社のトップみたいなところなので世界遺産に登録されていてもおかしくは無いだろうと思う人もたくさんいると思います。
しかし、実際のところ伊勢神宮は世界遺産に登録されていないんです。そして申請もされていません。
私も昔は「なんで登録されてないの」とか思ったのですが、大学の先生から話を聞くことがあり、納得をしました。
式年遷宮があるから
その大学の先生の話なんですが、「世界遺産登録なんてけしからん!」ということなんです。なんでかっていうと「式年遷宮があるから」ということなんですね。
式年遷宮というのは決められた年数で神様に社殿を遷って(移動して)いただくことです。伊勢神宮では20年に一度行われていて、戦国時代など一時中断した時期や延期されたことなどもありましたが、現在までずっと続いています。
この式年遷宮では、お社はもちろんのこと装束や御神宝なども新しく造りかえられます。
世界遺産は「遺産」だけど、伊勢神宮は現在も続いている「現在進行形」なので登録にはふさわしくないっていうことを話しておられました。
実は現実的な判断でそうなのかも
でも登録の基準的には
顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
http://www.unesco.or.jp/isan/decides/
とあるのでこれを考えれば登録できないことも無いんですよね。
そこで興味深いツイートを発見しました。
お二人の話をまとめますと「遷宮のたびにユネスコに必要書類と資料を提出し、許認可が必要な世界遺産登録なんてやっとれんわ!!」といった感じの内容になるかと思います。世界遺産に登録された建造物はちょっとした修理にもユネスコの許可が必要になってしまうそうで、そりゃ確かにやっとれんわなと。
— 有馬啓太郎 (@aryiaman) 2016年6月4日
漫画家の有馬啓太郎さんが聞かれたお話ですが、どうも世界遺産として認められるためには遷宮のたびに書類と資料を提出しないといけないみたいです。
書類と資料ぐらいって思うかもしれませんが。なんてたって遷宮は規模が違います。御用材だって何万とありますし、さっきちょっと書いたようにご神宝や装束もあります、それを全部資料にして申請するってめっちゃたいへんです!
審査するユネスコ側だってめっちゃたいへん。
そんなわけで現実的に考えて世界遺産申請をしないというものです。
言われてみれば、まあ確かにという話です。
世界遺産じゃなくてもいいよね
というわけでなぜ伊勢神宮が世界遺産じゃないのかについて書いてみました。
現実的な問題は置いておいて、世界遺産に登録されることってステイタスの1つですし、話題になることで参拝者も増えるでしょうけど、式年遷宮が昔から現在まで続いていて、そしてこれからも続いていくであろう伊勢神宮は世界遺産のイメージとはちょっと違うのかなと改めて思った次第です。
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