地鎮祭の流れ(式次第)や時間は?地鎮祭の別の言い方は?
今回は地鎮祭の流れや所要時間について書いてみたいと思います。
鍬入れのときの掛け声はどうするんだろう?とか心配なことも多々あるかもしれませんが、施主側はあまり難しく考えることはありません。
地鎮祭の読み方
と、その前に読み方についても少し触れておきます。
地鎮祭の読み方ですが、「じちんさい」と読むのが通常ですが、祝詞のなかでは「とこしずめのまつり」と読んでいます。これは大和詞(やまとことば)での読み方です。
一般的には「じちんさい」と言わなければ通じませんが、こういう読み方もあるんだと覚えておくといいかもしれません。
地鎮祭の別名
地鎮祭には別の言い方もあって、地祭(じまつり)、地祝(ちいわい)、地勧請(ちかんじょう)、鎮祭(ちんさい)、鎮射(ちんしゃ)、鎮(しずめ)といった言い方もあるようです。
自分が以前にいた神社では「地祭頼みたいんだけどー」って言って電話をしてくる建設会社に人がいました。
地鎮祭の流れ
ではここから肝心の地鎮祭の流れについても書いてみたいと思います。これはあくまでも一例です。神社によって特殊な神事があったりしますので絶対的なものではありません。
また、起立したり頭を下げるタイミングは神主さんが教えてくれることがほとんどだと思います(大規模な地鎮祭で司会が付く場合は司会の人が案内してくれることもあります)。
手水(てみず)の儀
式の前に手を清めます。
ちょうずのぎという人もいるかもしれませんが、業界的にはだいたい「てみずのぎ」と読んでいると思います。
正式には両手を洗って口もすすぐのですが、簡易的に両手を洗うだけのことが多いような気がします。
手水を省略してやらない神社もけっこうあると思います。
手水が終わったら神主側で開式の挨拶を少しすることもあったり無かったり。神社次第です。
修祓(しゅばつ)の儀
お供え物や斎場、そして参列者を祓って神様をお迎えする準備をします。
降神(こうしん)の儀
祭壇の奥中央にある神籬(ひもろぎ)というものに神様に降りてきていただきます。
地鎮祭は神社の外で行うので神様に降りてきていただく必要があり、神籬(ひもろぎ)がその依り代となります。
降神の儀の中で警蹕(けいひつ)といいますが神主が「オー」という声を掛けます。露払いの意味だとか神様が降りてくるので人に知らしめて失礼が無いようにとかそいうった意味があります。
献饌(けんせん)の儀
神様にお供え物をする儀式です。すでに祭壇にお供え物がしてあって、お神酒のフタとお水のフタを取ることがほとんどですが、本来は他の場所に用意したお供え物の三方を一台一台お供えしていく儀式です。
祝詞奏上(のりとそうじょう)の儀
祝詞を上げて工事の報告をし、工事の安全や家の繁栄を祈ります。
四方祓(しほうはらい)の儀
敷地の四隅と中央を祓う儀式です。神社によっては清祓(きよはらい)の儀とか言ったりして呼び方が違うこともあります。
大麻(おおぬさ)と切麻(きりぬさ)というお祓いの道具を使ってお祓いするのが一般的だと思いますが、神社によっては塩を撒いたりと微妙に違ったりします。
四隅を祓う時も本当に敷地の四隅を祓う場合とそうで無い場合があります。
地鎮(とこしずめorじちん)の儀
鎌、鍬、鋤でそれぞれの所作を行い。着工しますという報告をする儀式です。
砂を円錐状に盛った忌砂(いみすな)という物が用意されているのでそこで行います。
- 鎌は設計
- 鍬は施主
- 鋤は施工
が行うのが一般的ですが、鎌を施主がやって奥さんが鍬をしたりすることもあって神社によってやり方が微妙に違います。
刈初(かりぞめ)の儀
鎌を持って草を刈る動作を3回します。
ときどき「どんな草を使っているのですか?」と聞かれますが草に決まりはありません。神様の前で草を刈る動作をすることに意味があるのであって草はなんでも良いです(あんまり見栄えの悪い草だと問題ですが)。
穿初(うがちぞめ)の儀
鍬を忌砂に3回入れて忌み砂を崩します。
鋤を使って3回忌砂を崩します。
※やり方はそれぞれ
鎌と鍬は人による違いはそんなに無いと思いますが、鋤は人によってけっこう違ったりします。砂をすくって真ん中にかけたり、砂を整えるだけだったり、けっこう違いがあります。鎌と鍬もそうではありますが、これが正式な形というものは無いので、思い思いのやり方で行うのが良いのではないでしょうか。
※掛け声は?
刈初、穿初ともに「エイ!エイ!エイ!」と声を掛けるケースが多いですが、神事の厳粛さを考えて声を掛けずに行うこともあります。
どちらも間違いでは無いので気にすることはありません。しっかりと心を込めて行えば問題ありません。
埋納(まいのう)の儀
鎮物(しずめもの)という神様を鎮めるための物を埋める儀式です。
楽天やアマゾンでも売ってました(笑)
写真のように人や剣、鏡やお金などをかたどった物が一般的です。
鍬を入れたあとに埋納をして鋤で埋めるといったやり方もあります。また、式の中では埋納は行わず、あとで渡すこともあるようです。
地鎮祭が終わったら建設会社の担当者によって本当に地面の中に埋めてもらいます。基礎の真ん中奥深くに埋めることが多いと思います。
玉串拝礼
榊の枝に紙垂(しで)という紙を付けた玉串(たまぐし)というものをお供えします。
神主さんや司会の人の案内によって順次行います。玉串拝礼の順序は文字で説明するよりも動画で見たほうがわかりやすいと思うのでYOUTUBEに上がっている動画を貼らせてもらいます。
玉串を時計回りに回して縦にして祈念し、根元を御神前に向けてお供えしたあと、二礼二拍手一礼の作法でお参りします。
建設会社の人がよくやりますが、人数が多いときは代表の人だけ玉串をお供えし、他の人たちは後ろで代表の人に合わせて二礼二拍手一礼をする「列拝(れっぱい)」という方法もあります。
徹饌(てっせん)の儀
神前からお供え物をお下げする儀式です。お酒とお水のフタを閉じることで徹饌とすることがほとんどです。
昇神(しょうしん)の儀
神様に元の場所にお戻りいただく儀式です。
降神の儀と同様に「オー」という警蹕をかけます。
神様にお戻りいただいて地鎮祭の終了です。
神酒拝戴(しんしゅはいたい)
お神酒を参列者皆で一緒にいただきます。
一緒にいただくことで心を一つにして工事に当たりましょうという意味合いがあります。
乾杯の発生は神主がやったり、建設会社の人がやったりとどちらのケースもあります。
時間はどのぐらいかかる?
神社によって進め方に違いがありますが30~40分ぐらいのことが多いかと思います。
玉串拝礼の際に人が多ければその分時間が伸びたりします。
あまり難しく考え過ぎないこと
施主の立場らからすると人生で地鎮祭に参列することってそう何度もありませんし、神事なので「失敗したらどうしよう」と不安に思う人もいるかもしれませんが、難しく考えることはありません。
鍬入れの作法とか正式な形というのもありませんし・・・
細かい形は気にせず、とにかく心を込めて行うこと。
あとはどーんと構えていれば大丈夫です。
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