御成敗(貞永)式目の「人は神の敬いによりてその威を増し人は神の徳によって運を添う」と神社
日本史の授業で習って、その名前を覚えている人も多いであろう御成敗(貞永)式目。1232年に北条泰時らによって定められた法令です。
神社のことを書いてるブログなのになんで御成敗式目の話が出て来るんだと思うかもしれませんが、この御成敗式目には神社に関わりの深い条文があるのでちょっと載せてみたいと思います。
御成敗式目第一条と神社
第一条には「可修理神社專祭祀事」(神社を修理し祭祀を専らにすべき事)とあり神社を大切にするよう書かれています。
そして、その後の文では「神者依人之敬增威、人者依神之德添運」とあります。これは有名な言葉で「神は人の敬いによりて威を増し、人は神の徳によって運を添う」というものです。
意味としては神様は人が崇敬して祭祀を行うことでその力を増し、人は神様のお力によって幸せになるといったような感じでしょうか。
武士からも神社は篤い崇敬を受けていたことが分かる一文です。
また、全国の神社の中にはこの文が掲げられていたり、石碑になっていたりするところもあるのですが、 神社という存在の根本的なことも意味しているように思います。
人が神様を崇敬することで神様から力をいただいて、そしてまた人から神様へ崇敬の念が・・・と良いサイクルが続いていく。御成敗式目が成立したのは鎌倉時代ですが、こうしたサイクルが太古の昔から延々と繰り返されて現在の神社があるんじゃないかと思う次第です。
人→神様→人→神様・・・
このサイクルがなきゃ神社ってはじまりません。
神棚のお祀りにも通ずるところがあると思う
神棚をお祀りする際に「少しでも良いので続けれられる範囲でお祀りしましょう」といって継続をすることが推奨されますが、これは御成敗式目の一文にも通ずるところがあると思います。
神棚にお参りして神様に気持ちを届けて、神様から力をもらって日々の生活を頑張って、感謝の気持ちを捧げて、また神様から力をもらって・・・この繰り返しが自分や家族の向上にも繋がるのかも。
何を思うかなんてその人の自由ではありますが、お家に神棚がある人は気が向いたら御成敗式目の一文のことも考えながらお参りするのも1つの方法だと思います。
箱根神社の名前が挙がってる
余談ですが、御成敗式目の起請文(神仏に捧げる文)には
梵天帝釈・四大天王、惣日本國中六十余州大小神祇、
別而伊豆箱根両所権現・三島大明神・八幡大菩薩・
天満大自在大神・部類眷属・神罰冥罰各可罷也、
仍起請文如件
http://hakonejinja.or.jp/02-contents/02-main/07-gosaijin-yuisyo/03-contents/01-gosaijin/01-gosaijin-yuisyo.html
とあるそうです。
伊豆箱根両所権現というのは伊豆山神社と箱根神社のことだと思われます。源家再興にあたって大いなる御加護をいただいたので源頼朝の崇敬篤く、鎌倉幕府の将軍は正月の恒例行事としてこの二社にお参りしていたそうです。
こうしたことから御成敗式目もこの二社を含めた神仏に捧げたのでしょうね。
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