神宮大麻とは?どこで受けられるの?金額は?薄紙はどうしたらいい?

2021年2月24日

神宮大麻とは

神棚にお祀りするお札の1つとして神宮大麻(じんぐうたいま)があります。

お札には天照皇大神宮と書かれていて、伊勢神宮の御祭神である天照大御神様のお札なのですが、伊勢神宮は全国の神社の本宗(ほんそう)といって全国の神社の中心のような存在です(ちなみに伊勢神宮とは通称で正式には神宮といいます)。

明治天皇の「国民が朝夕神宮に敬拝できるように」思し召しで全国に頒布されるようになったと言われています。※お札を広く配ったり分けて周る際には頒布(はんぷ)という表現を使っています。

なんで大麻(たいま)っていうの?

大麻と呼ばれる語源については正確には分かっていないという人もいますが、私はお祓いの道具に由来するという説を聞いたことがあります。

大麻っていうと葉っぱを思い浮かべる人がおおいかもしれませんが、大麻は「おおぬさ」とも読み、お祓いの道具として使われています。

神主と言うと思い浮かべる人も多いと思いますが、お祓いするときに持っている紙がついた棒とか榊のことです。

この大麻(おおぬさ)によって厳重にお祓いされた御札なので大麻(たいま)と呼ばれるようになったと言われています。

こちらも大麻(おおぬさ)木の棒でできた物は祓串(はらえぐし)ということも

神宮の御師(おんし)の存在

現在では個人の祈祷も受け付けている伊勢神宮ですが、昔は私幣禁断(しへいきんだん)といって個人的な祈願はできなかったそうです。

その代わり御師(おし・おんし)と呼ばれる人たちがいて、参拝者の宿泊などの面倒をみたり祈祷をしたりしていたそうです(御師は伊勢神宮だけでなく他の大きな神社にもいたようです)。

明治天皇の思し召しで神宮大麻が頒布されるようになる以前は、この御師が御祈祷の証として大麻を頒布していたようです。

氏神様のお札と何が違うの?なぜ神宮大麻を祀るの?

氏神様のお札は地域の発展や安全を祈ってお家にお祀りしますが、伊勢神宮はさきほども書いたように全国の神社の中心的な存在なのでそのお札である神宮大麻をお祀りすることで国の発展や社会の安全を祈ってお祀りし、それがひいては各家庭の安全に繋がるのかなと自分は解釈しています。

どちらもお家の安全や発展を祈ってお祀りしますが、氏神様のお札は住んでいる地域の、神宮大麻は国という範囲でのお祈りになるのかなと。

神宮大麻はいつどこで受けられるの?

神宮大麻ですが1年中いつ受けても構わないと思いますが、一般的には新年を迎えるに当たって受ける人が多いです。

年末に神社の神主さんが会社などを周ってお札を頒布したり、地域によっては回覧板を回して町内で受けるお札の数を計算したりいろいろです。もちろんそういのが無い人は直接神社に行って受けてきても良いです。

年末でも年始でもいいの?

昔は年末に新しいお札を受けて、お正月を迎えるというのが一般的だったようですが現在ではそれはずれ込んでいるのかお正月に神宮大麻を受けていく人もけっこういます。

どちらかというと年末にお札を取り替えるほうが丁寧かもしれませんが、「年末は神社に行くことがなくて・・・初詣だけなんだけど。」といった人は別にお正月でも問題ないです。

どこで受けることができるの

神宮大麻というので伊勢神宮で受けることができると思われがちですが実は伊勢神宮で受けることはできません。角祓(かくはらい)というお札はありますが、これは伊勢神宮に参拝できたことをありがたく思って受けるためのお札で神宮大麻とは少し意味が違います。

神宮大麻は明治天皇の思し召して全国に頒布されるようになったというだけあって全国の神社で受けることができます。

ただし注意したいのは単立の神社では神宮大麻が無いということ

※参考:Wikipedia 単立

ちょっと難しい説明は避けますが神宮大麻は伊勢神宮でお祓いされてから、神社本庁という全国の神社の統括機関みたいなところを経て最終的に各神社で頒布されるので、この神社本庁に属していないところでは神宮大麻が無い可能性が高いのです。

確実に神宮大麻を受けたいなら神社本庁のサイトの神社庁一覧から住んでいる県の神社庁のサイトへ飛び、そこから住んでいる地域の神社でなおかつ神主が常駐している神社を探してみましょう。

分からなかったら近くの神社に電話して「神宮大麻はありますか」と聞くのが手っ取り早いかもしれません。

神宮大麻のサイズと初穂料は?

※Twitterにて栃木のお伊勢さま 神明宮様が写真をアップしていらっしゃったので貼らせていただきました。

神宮大麻の大きさですが実は3サイズあります。初穂料(神社に納めるお金)と合わせて書いておきたいと思います。

サイズ初穂料(金額)
神宮大麻 縦24.5cm・横6.8cm・厚さ0.1cm初穂料1000円
神宮中大麻(じんぐうちゅうたいま)縦25cm・横7.5cm・厚さ0.5cm初穂料1400円
神宮大大麻(じんぐうだいたいま)縦30.5cm・横10.5cm・厚さ0.9cm初穂料2000円

大きい小さいでご神威に変わりはありません。どれを受けるかはその人の気持ち次第です。

それぞれの比較については鶴ヶ峰熊野神社さんのサイトがわかりやすいかもしれません。

中大麻や大大麻は扱っていない神社も

一番小さなサイズの神宮大麻を受ける人が圧倒的に多いので他の大麻は扱っていない神社もけっこうあると思います。

中大麻や大大麻を受けたい人は地域の大きな神社に問い合わせて扱っているか確認してみましょう。

あとはサイズが大きいので神棚に入るかどうか確認しておいたほうが良いでしょう。一般的な神棚だと大大麻は収まりきらない可能性が高いと思います。

初穂料が上がる可能性も

現在は1体800円の神宮大麻ですが、不況のこのご時世です。平成7年ぐらいに500円から800円に改定されたように、再び初穂料が上がってしまうかもしれません。

令和2年に神宮大麻は800円から1000円に、中大麻は1200円から1400円になりました。

伊勢の神宮のお札・種類とサイズと初穂料

さきほど少し書きましたが全国の神社で受けることができる神宮大麻と伊勢の神宮で受けることができるお札は違います。このお札は授与大麻(じゅよたいま)などと呼ばれているようですが、この授与大麻についても表にしておきます。

神宮で受けることができるのは剣祓(けんはらい)、角祓(かくはらい)、大角祓(だいかくはらい)の3体。このほかご神楽付きのご祈祷を受けるといただける神楽大麻、御饌という種類のご祈祷を受けるといただける御饌供進祈祷大麻などがあります(ご祈祷内容、授与されるお札は初穂料によって違いますので神宮で確認してみてください)。

サイズ初穂料(金額)
剣祓(けんはらい) 縦21.5cm・横9.7cm初穂料500円
角祓(かくはらい)縦26.3cm・横8.2cm・厚さ0.5cm初穂料1500円
大角祓(だいかくはらい)縦30.5cm・横10.5cm・厚さ0.9cm初穂料2500円
神楽大麻高さ31.5㎝・横8㎝・厚さ3㎝ご祈祷ののち授与

神宮大麻に巻かれている薄紙はどうしたらいいの?

神宮大麻ってお札に薄い紙が巻いてあるんです。この紙はどうしたらいいのかと質問を受けたことがあります。

結論からいうと外しても外さなくてもどっちでもいいです。

この紙は本来はお札が汚れないように巻かれているものです。伊勢神宮でお祓いしてからずっと長い距離を運ばれますしね。

よって薄紙は外してお祀りして構いません。

よく見ると神宮の紋が入っています

ただ、薄紙を巻いた状態でお祀りする人もけっこういます。

薄紙はよく見ると神宮の紋が入っていますし、神様の名前がうっすらと見えたほうがありがたい感じがするというのもあるかもしれません。

お札を大切に思ってのことですので巻いた状態でも全く問題ありません。こういうものだと思ってそのままお祀りしている人も多いとは思いますが。

そんなわけで薄紙に関しては好みの問題です。

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