神主の給料はどこから出る?神社本庁との関連は?休みや待遇・続ける理由も

2020年1月25日

神主の給料・・・金額から出どころまで気になっている人はけっこういると思います。今回はそんな神主の給料についてちょっと書いてみたいと思います。

自分は雇用される形で神社に奉職しましたので神社経営者でなく、主に雇用される側の給料に関する内容が主となります。ちなみに神社に就職するときはあくまでも神様に奉仕するということなので奉職(ほうしょく)と書きます。

給料は奉職した神社から出る!神社本庁じゃ無いよ

給料ってどこから出ているかですが、単純に奉職した神社から支給されます。

だいたいの神社は神社本庁という全国の神社を包括する組織に属しているのですが、最近の神社ブームからか神社本庁の存在を知り、「神社本庁が神社を包括しているから給料も神社本庁から出るんじゃないの?」と思っている方もいらっしゃるようです。

世間の方々からすれば神社って謎な面が多いでしょうからそう思う人がいるのも仕方の無いことではありますが、給料は各神社から支給されています。

よって給料の額はその神社次第。神社の経済状況や神社の方針次第で給料の額は変わってきます。

余談・経営には口出しできない神社本庁

一応、宮司やその他役職は神社から申請を行い、神社本庁から任命されて就くという形になっているので神社本庁はめっちゃ権力があって、神主の役職や転勤についてものすごく権限があるように思われるかもしれません。

ですが、神社の経営等に関して強制力はありません。自分が以前居た神社でも「それは神社としてどうなの?」って行いがありましたが、特に強制的に何か指導があったかというと特にありませんでした。

また、個々の神主のが他の神社へ移るときも神社本庁の意向で行われるわけではなく、神主間でのツテや神社同士のツテで行われます。

神主の給料は月給制・金額は低い人が多い

紺色らいおんさんによる写真ACからの写真

はじめに神主の給料についてですが正職員ならば月給制となっています。臨時の職員とかは別かもしれませんが。

気になるの給料の額ですが、神社本庁の規定だと月給は60万円が上限と定められているようです。しかし下っ端の自分からすると60万円とか夢のまた夢みたいな金額でした。

自分が奉職した神社では基本給が15万円ぐらい、その他手当てが付いて手取りが17万円ぐらいだった気がします。ボーナスもあって夏冬合わせると3か月分が支給されました。年収だと300万円ぐらいでしょうか。

その後多少の昇給もあって5年ほど経ったら年収は330万円ぐらいになりました。

これはけっこうマシなほうで安いところだと月給が15万を下回るようなところもあります。後述しますが拘束時間もかなり長くなることが多いため時給換算するとひどいことに・・・

大きな神社で出世すれば年収500~600万なんてこともあるみたいですが、そうした人は一握りで多くの人(特に奉職したばかり)はかなり安い年収で働いていると思われます。

休みや保険について

休みは少ないところがほとんどです。自分がいたところは年間100日弱ぐらい休みがありましたが、これはかなり多いほうで年間休みが70日前後のところもザラにあります。ひどいところは月4日とか・・・

しかも仮に求人に休みが月4日と書かれていても実際はめっちゃ忙しくて4日も休めないこともあったりします。

有給は一応存在しますが、神社の忙しさを見つつということになります。人数ギリギリで回している神社も多くなかなか思ったように休みが取れないところが多いと思います。

ちなみに神職暦10年以上で某有名神社にいる友達は月に8回ぐらい休みをもらっているとか言っていた気がします。大きな神社でうまいこと出世できればある程度の休みはもらえるようになるかもしれません(一般の職とくらべると少ないでしょうが)。

保険と年金について

社会保険と厚生年金に加入しているところが多いですが、小規模な神社だと中には加入していないところもあります。

昔、奉職する時に求人を見た感じでは思ったよりもちゃんと加入しているところが多いなあという印象でしたが、まあ神社次第です。

神社の収入ってどこから入るの?

神主の収入につながる神社の収入ですがどんなものがあるか・・・いくつか挙げてみます。

お賽銭

みなさんが思い浮かべるであろうお賽銭。初詣の参拝者数ランキングに入るような大規模な神社だとその金額もすごいことになりますが(お正月だけで億越えらしい)、職員が数人の神社だとお賽銭というのはそれほど多くありません。

お守りやお札などの授与品

お守りやお札を頒布することによる社入はやはりお正月の三が日が多くなります。

観光地にあるなど参拝者の多い神社ならばお正月だけでなく年間通してそこそこの収入があるかも。

御祈祷や地鎮祭

交通安全や厄祓いなどのご祈祷は1件5000円~のところが多く神社の主な収入となっています。

また、参拝者が少なく御祈祷が少ない神社は家を建てる前の地鎮祭などで社入を得ているところが多いです。

葬儀

「えっ?神主って葬式するの?」と思うかもしれませんが神式の葬儀があって神主が葬儀場へ行って葬儀を執り行うこともあります。

神式の葬儀のことを神葬祭(しんそうさい)といいますが、神葬祭が盛んな地域だとちょくちょく依頼が入るようです。

地域性もあると思うので全然以来の入らない神社もあると思います。

結婚式場

大きな神社だと結婚式場が併設されていることがあります。こうした併設されている施設で収入を得ている神社もあります。

駐車場など土地の活用

都市部の神社は土地を駐車場などで貸し出して収入を得ているケースがけっこうあります。

※ちなみに宗教法人は何でもかんでも無税だと思っている人がいるようですが、駐車場経営など宗教行為に関係ない収入に関しては税金が掛かります。

奉賛金

神社でのお祭りの際や設備の改修、建て替えにあたっては奉賛金を募ることがあります。神社の玉垣(神社の周りを囲っている石とかでできた柵)などに名前が記されていますが、その人たちは奉賛金を募った際にお金を納めた人である可能性が高いです。

修理や建て替えの奉賛金は当然その用途に使われて神主の給料にはなりませんが参考までに。

ほとんどの神主は給料が安い

かっちゃんさんによる写真ACからの写真

というわけでザッ書いてみました。書ききれていない部分もあると思いますが神社の神主は給料が安いケースがほとんどです。

給料がそこそこあっても時給換算すると・・・ということも多いですし時間やお金の豊かさを得るのは難しいかもしれません。他の職業よりも安定はしているかもしれませんが・・・

なぜ神主を続けるのか

じゃあなぜ神主を続ける人がいるのかというと・・・

  • 歴史的な物を守っていったり神様に奉仕をするという点にやりがいを感じている
  • 若い年齢なら転職できるが30代40代になると厳しいのでそのまま神主やってる
  • そこそこの規模の神社なら会社よりも安定しているから(本当に安定かどうかはわかりませんが、そう判断している人もいます。)
  • 実家が神社だから跡を継ぐために

とかこのあたりが理由かなと思います。

給料以外で神主を辞める理由

神主を辞める理由としては給与や待遇面での問題がありますが、その他の要素としては人間関係があります。

大きな神社で職員が多いと派閥があるとか無いとか、逆に小規模な神社だと家族経営のところが多く、家族の方針について行けず辞めてしまうケースもあります。

このあたりは企業に就職したときと共通するものがあるかもしれません。

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