神主が手に持っている木の板は何ていうの?笏(しゃく)です

2019年7月13日

神主さんが持っている木の板・・・「何のために持っているんだろう?」「何ていうんだろう?」と思った人もいると思います。

大麻(おおぬさ)と並んで神主を象徴するような物の1つですが、今回はこの木の板について書いてみたいと思います。

笏(しゃく)という名前

この木の板は笏(しゃく)という名前(実は通販でけっこう売られてたりします)。

もともと笏は「こつ」と読んでいたそうですが、骨を連想させるということでこの読み方は嫌われ、「しゃく」という名前になったそうです。

なぜこの漢字が使われているかまではちょっとわかりませんが、「しゃく」という言葉は長さが一尺であることからきているという説が有力なようです。

でも実際のところ長さには明確な決まりがあるわけでは無く、みんな思い思いの物を使っています。一般的には一尺2寸~3寸ぐらいのようです。ネットで見ると39cmのがよく売られている気がする・・・

おじゃる丸を見て子供も知ってる!

余談ですが自分が神社に奉職していた際に先輩が子供から「笏持ってるー」などと話しかけられていました。子供なのになんで笏のことを知っているのか不思議に思いましたが、どうやらNHKで放送されているアニメ「おじゃる丸」に笏が出てくるのでそれで知っていたようです。

おじゃる丸・・・確かに笏持ってますよね。

まあ、おじゃる丸に出てくる 笏は自分の意志を持っていて動いたりするので形以外は現実の笏とは違うんですが(汗

こんなところから笏を知るとは 以外でした。

どういう意味で持ってるの?

メモのため

笏は古くは中国のお役人さんが覚えておきたいことを書き留めるために使っていたそうです。6世紀に日本に伝わりますが、このときも式次第などを笏紙(しゃくし)という紙に書いて笏の裏に貼っていたようです。

現代の神主も笏の裏側にメモを貼ったりして使っています(自分はこのようにしている人をあまり見たことがありませんが)。

姿勢を正すため

もう1つの意味は姿勢や心を正すため。

まあざっくりというとまっすぐな物を持って心も体も神様に失礼の無いようにしようということでしょうか。

作法を教わったときに、「拝(90°のおじぎ)をするときは笏と自分の体を平行に」なんて言われた記憶があります。

どうやって持つの?

飛鳥時代や奈良時代の人たちがどうやって持っていたのかは分かりませんが、現代の神職は笏の持ち方が決まっています。

右手に持つのですが、親指と小指を内側(自分の体に近いほう)にして、残りの3本の指は外側にして持ちます。

ちょっと写真の角度が悪いですが、外側から見るとこんな感じ。

笏の下の部分は指1本~2本分開けて持ちます。

作法を習ったときは笏対して指を直角にするようにとけっこう言われました。斜めに持つと指が楽でついつい斜めに持ってしまいがちなんですけどね。

両手で持つときの内側はこんな感じになっています。右手で持っていた状態のときに加えて左手の親指が真ん中に入ります。

前から見たときの写真。左手を右手の上に重ねるようにします。

※指の位置が微妙にずれてるとか90°になってないとかは許してください・・・

素材は決まってるの?

素材に関しては中国では象牙や鯨の骨、竹なども使われていたそうです。日本においては大宝律令で五位以上は象牙の笏、六位以下は木の笏とされていたそうです。

現在では専ら木の笏ばかりで木以外の笏を使っている人は見たことがありません。もしからしたら木以外の素材のものを使っている人もいるのかもしれませんが神主の9割9分は木製の笏なんじゃないでしょうか。

木の中でも主に使われているものは、「イチイ・シイ・榊・クヌギ・ヒイラギ・檜・かし・桜・杉」このあたりのようです。

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