神棚に鏡を置くときはどこに置く?なぜ鏡を祀るのか?

神棚の周りに置く祭具の1つとして売られている鏡。神鏡(しんきょう)などと呼ばれています。

神棚を立派に祀りたいと思ったら設置したいところですが、どこに置いたらいいのか、そしてどういう意味で置くのか気になりませんか?

今回は神棚と鏡について書いてみたいと思います。

神棚のどの位置に置くの?絶対必要なの?

楽天市場の神棚にちょうどよさそうなものがあったので貼ってみます。鏡は写真のように神棚の中央に、そして神棚に階段があれば階段の上に設置するのが通常です。

神棚の扉は開けておく派だという人は扉を開けた状態で鏡を置いてみましょう。扉が当たって鏡が置けないという場合は階段の下でも良いと思います(たぶん大丈夫だと思いますけど)。

楽天の画像リンクが消えてしまったときのためにこっちで用意した画像も貼っておきます。

ポイントとしては

  • 中央に置く
  • 階段の上に置く(置けなかったら下でもよい)
  • お供え物よりも神棚に近い位置に置く

といったぐらいで場所に関しては対して難しいことは無いと思います。

絶対に無いとだめ?

鏡は絶対に無いと駄目かというとそんなことはありません。

神主が神事を行う際にも鏡の無いところで行うこともありますし、全ての神棚に鏡があるわけでもありません。

神棚をお祀りする人の好みです。

なぜ鏡を置くのか

日本書紀の中に記されている三大神勅(さんだいちょくゆ)というものがありまして・・・

天照大御神が孫のニニギノミコトに対して命令みたいな感じで言った3つ内容があるんです。

ニニギノミコトが天から地上へ降りるに際しての言葉だったのですがその3つについてちょっと書いてみます。

天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅

豊かに葦が茂っている国(日本のこと)は私の子孫が代々治めるべき地であるのでそこへ行って治めなさい

みたいな内容。こうして日本を治めたニニギノミコトの子孫が天皇家といわれています。

宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅

この鏡を見ることは私を見るのと同じことだと考えて鏡をお前が住む宮殿内に一緒にお祀りしなさい

みたいな内容。

ちなみにこの鏡は時代を経て「やっぱり自分と一緒のところに祀るのは恐れ多いわー」ということになり、いろいろ場所を探した結果、伊勢が良いということになり、伊勢神宮建立のきっかけとなりました。

齋庭の稲穂(ゆにわのいなほ)の神勅

高天原にある稲穂をおまえに任せるぞみたいな内容

鏡を太陽と考えた?

こうした3つの神勅があるのですが、注目すべきはやはり宝鏡奉斎の神勅。

鏡を自分のことだと思って祀りなさいってことですが、天照大御神様は太陽の神様、そして鏡は太陽の光を反射するというのは関係ない話ではないでしょう。

昔の人は光を反射する鏡を太陽に近い物だと考え、御神体としてお祀りしたのではないでしょうか。

こうして鏡は神社や神棚に置かれるようになったんだと思われます。

ただ、人の目につく場所に置かれているわけですから御神体とは別のものとして考えるべきですね。

自分のことを振り返るため?

鏡は人の姿を映すので自分を振り返るためにあるという人もいます。

これは姿かたちといった見た目の問題では無く、鏡を通して普段の自分の生活を振り返ってみて、恥ずかしくない生活ができているのかとうことです。

まあ、普段の生活はいろいろありますけれども・・・まっすぐな心で神様にお参りできれば良いですね。

自分たちの御先祖様を見る?

これは神主の友達が言っていた話です。

あるとき、崇敬者の方から「鏡が曇ってしまって曇りが落ちないんだけどどうしたら良いか」という質問がありました。

そこで友達がしていた説明は

  1. 日本人のご先祖はニニギノミコトが天から降りてきたときに一緒に降りてきた神様たち
  2. 曇った鏡を見ると自分の姿がぼやけて映る
  3. ぼやけて映る姿から自分たちと同じ人の形をした神様たちをイメージする

というものでした。

自分は「なるほどそういう考えもあるのかー」と新鮮な気持ちでした。

はっきり映らない鏡というのにも意味があるんだなと。

神棚の鏡が曇って困ってる皆さん、

鏡がきれいに越したことは無いけど曇ってても大丈夫ですよー!!

ただ、「それでも曇ってるのはちょっとなー」と思ったり、あまりにも汚れがひどくなってきたら取り替えましょう。

鏡はどうやって処分するの?

鏡の処分についても考えてみましょう。

神棚に置いていたものですから「そのまま処分するにはちょっと・・・」と思う人も多いかもしれませんが、お札では無いのでゴミとして処分して構いません。

神社に持って行っても鏡はお焚き上げできないので神社の人も困るんじゃないでしょうか。

どうしても気になるという人はお祓いだけしてもらって自分でゴミに出すという形だったら神社でお祓いしてもらえるかもしれません。ご祈祷になるのでおそらく5000円前後かかると思いますが。

神主さんが常駐している近くの神社に電話をして「神棚の鏡を処分したいんですけど、ゴミに出すのは自分でやるのでお祓いだけしてもらえませんか?」などと聞いてみるといいかもしれません。

神鏡の素材について

神棚に置く鏡は素材もいろいろあるようです。ホームセンターなどで売られている神棚用の小さな鏡はちょっと安っぽいですよね。

しかし神棚や神具の専門店になると真鍮板にクローム鍍金を施したもの、高級なものになると銅と錫で出来た白銅鏡や青銅鏡などがあるようです。

価格等については宮忠さんのページが参考になるかもしれません。

材質について詳しいことは宮忠さんの一問一燈というページが参考になるかも。

まとめ

そんなわけで今回は鏡についてでした。

鏡は太陽を象徴するものとして、と考えるのがしっくり来ますが、他にもいろいろ考え方があって面白いものです。

「絶対にこれが正しい」と考えて神棚を祀るのではなく、いろいろな事を考えて自分なりの答えを導き出して神棚をお祀りしていくのがいいんじゃないかなと思います。

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